賞味期限切れソーダ

気の抜けた青春への憧れと読書と映画とアイドル

【短歌連作】全日本水平線協会

夏が好きです、と言うと驚かれるのが解せないので短歌を作りました。サーフボードに乗れなくてもオフショルダーのワンピースを持っていなくてもあせもがひどくても私は大洗海岸のべたべたした甘苦い塩水の手触りだけが好きです。

海の兄妹

 

歩道橋渡ってしまえまっすぐに振られる手の皺など数えず
はみ出てもふるえてもだめ六月のセーラーシャツのラインは水面
引っ越しをするということ天気予報見間違う日が増えるということ
「東京に雪は降らない」母からの電話を切ってシェイクを啜る
雪だった頃の記憶をそのままにバスタブを温める水たち
やさしさは灰色をして曇り、ティファール、父の指の毛
こんなにも夜が明るいこの街で君の膝小僧だけがこどもで
生産性などない恋のはじまりに生き物のぬくもりのコピー機
友達が三人減って僕だけの回転木馬が温める米
将来のゆめはとうめいもう誰も怒らせないで抱きしめるため
イヤフォンを塩漬けにして妹に定形内で波を送った
恋人の条件としてペンだこの直径だけを答える兄だ
琴線と言わずに水平線と言う触れやしないただ満ちるもの
泣いてなどいません私ただ海の補充係を任されていて

 


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もしなにかこの歌が好きとか嫌いとか感じたら感想やエモや心象風景や全日本海岸をパリピに占有させない同盟への署名をこちらにください。

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