賞味期限切れソーダ

気の抜けた青春への憧れと読書と映画とアイドル

【短歌連作】秋食い止め前線

老人と海ならぬ労働と労働と海みたいな夏でした。大洗海岸は今年も甘苦くべたべたしてました。今は東北でカルピス飲んで秋食い止め前線に参加しています。

 

頓服用直射日光

ほんとうにみずいろだったその薄い口の端からこぼれるお冷
冷たいは愛の対義語だったからチューペットばかり食べたね

にせものの君のまつげの切っ先が風を刻んで細切れの夜
夜は穴 夜があるから一日はレコードみたいに擦り減り回る

中指はケーキナイフのごとく伸び世界の愛を切り分け配る
爪切りとひげそりの好きなその人はやがて眩しい球体になる

徳用のシャンプーボトルをためらわず買ってゆく日の道の明るさ
こだわりのオーガニックの無添加のおんなをやめました、ゆうべ

かゆいところございませんかと聞く人に海、と言ったら来てくれるかな
海が痛い、痛いと泣いたあの人の額をなでて歌うララバイ

失恋の素揚げみたいな味のするココナツサブレを噛み締めている
今日もまた傷つけられにゆく朝だアロエヨーグルトを飲み干す

ご自由にお待ち下さい当駅は列車すべてが通過致します
快速が流し見ていく駅前の自販機の灯もまた星である

 
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2首でぼんやりと対になっています。はじまりからおわりまで。

感想とか苦情とか妄想とか、こちらでお待ちしています。

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